ロー・アンド・オーダー ニューシリーズ

ロー・アンド・オーダーとは?

正義とは

「法と秩序」というタイトルが付けられた「ロー・アンド・オーダー」は、まさにアメリカの司法体系を1話の中に凝縮した形で描いている。その中で浮かび上がって来るのは、法で人を裁くことの難しさ、そして、善と悪、白黒付けることのできないグレーゾーンが少なからず司法体系の中に存在するという現実だ。刑事たちは自らの職務に忠実に、時には違法すれすれの捜査を行い犯人を逮捕するが、被告の弁護人の申し立てによって警察が身を粉にして集めた証拠が裁判では採用されないことも少なくない。一方で正義を成すという目的は同じでも、感情に流されることなく法を遵守し、社会の秩序を守る立場にある検察の仕事ぶりは警察との間に少なからず摩擦を生む。番組のラストは毎回裁判の結末で終了するが、世論や陪審員の常識、そして時に政治に左右されて苦い結果に終わることも多々あり、予測がつかない。視聴者はハラハラしながら判決と量刑に溜飲を下げることもあれば、往々にして怒りや悲しみを抱くことになる。果たして法治国家における正義とは何なのか?
「(自分は)善も悪も併せ持ち矛盾だらけだ。どうやって折り合いを?」と上司ヴァン・ビューレン警部補に問いかけるグリーン刑事の人間味あふれる苦悩は、全ての視聴者の共感を呼ぶだろう。一方で被害者に同情を示す部下に対して「感情は必要ない」と一刀両断する検事補マッコイは、時に憎らしいほど非情に映る。だが、法の僕たるマッコイのブレない姿勢が描かれているからこそ、視聴者は感情に流され過ぎずに事件を多角的にとらえ、"正義のあり方"について深く考えさせられるのだ。

      

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